声劇/論争厨の食卓/1.0 のバックアップ(No.1)


本ページは、声劇論争厨の食卓」の旧版を掲載しています。
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タイトル論争厨の食卓
作者いりねこ
 

HO1夫.
HO2妻.

 

ここは、とある喧嘩民の夫婦の食卓。妻が朝食の卵掛けご飯にかける醤油をかけようとしたところから物語は始まった。喧嘩民の熱い戦いが今始まる。

 

HO2.あなた、そこのお醤油とってもらえません?
HO1.とってあげてもいいよ。
HO2.ありがとう。
HO1.とってあげてもいいけど、ちゃんとお願いしろ。
HO2.私、お願いしたわよね?
HO1.お前が言ったのは、取ってもらえるか、だろ。俺は、それに対して、取ってあげてもいいと答えた。やってもいいけど、実際にやるかどうかは別の話だ。やってもらいたかったらお願いをしろ。
HO2.お醤油とってもらえませんか?ってお願いしたわよね。
HO1.とってもらえませんか?は、諾否疑問文(だくひぎもんぶん)だよな。お前が今言ったのは疑問文だ。お願いではないだろ。
HO2.あなたの言っている通り、確かに文章は諾否疑問文だわ。でも、解答を求めているのではなく、行動を求めているのはわかるわよね。私の発言は応答を期待しているのではなく、要求を行っていることはわかるわよね。
HO1.何その期待?あー。やだやだ。お前みたいな陰キャはすぐそうやって自分の考えを人に押しつける。発した文章が疑問文の時、相手が応答を期待していると考える方が妥当だろ。
HO2.陰キャはどっちかしら。陰キャって、陽キャの対義語として生まれた言葉よね。陽キャってどういう意味か分かってるかしら。陽キャの陽は陽気の陽。明るくて人付き合いの良いって意味があるのよ。相手の発した言葉から意図をくみ取らずに意味不明な突っかかりをしてくる貴方のほうが陰キャじゃないかしら。
HO1.友達が100人いる俺が陰キャのわけないだろ。お前なんて遠足行ったときにいつも隅っこで一人でおにぎりくってるんだろ。
HO2.あなたは、おにぎりすら十分に握れない料理下手で、友達にご飯を分けてもらうために媚びを売り続けてただけでしょ?あなたの周りに人はいたかもしれないけど、自分が迷惑がられていたことに自覚はないの?みんなあなたに自分のおにぎりを盗られはしないか恐々としていたはずよ。それに比べて私は友達と仲良くおにぎりを食べていたわ。
私が一人でおにぎりを食べていたですって?私が食べるの遅かったからかしら?だからどうしたっていうの?
友達100人いるとかうそぶいているあなたのことを本当に友達だと思っている人は何人いるのかしらね?
HO1.俺の友達はみんな友達だ。お前みたいな陰キャは友達の定義とか気にして教室の隅でいつもうじうじしてるんだろ?根性なし!
HO2.教室の隅でうじうじっていうのはよくわからないけれど、あなたはいつも自分の考えを人に押し付けてばかりだからきらわれているんじゃないの?
まさか、嫌われてることに気づいていないの?ああ、ごめんなさいね。図星ついちゃったかしら。
貴方みたいに自分の考えを押し付けて人を働かす人をブラックっていうのよ。
HO1.ブラック?真っ黒なのは、お前の茶碗の中身だろ。お前みたいに泣き虫陰キャは、めしに醤油をたくさんかけて涙で流した塩分補給しろよ。
HO2.あら、ありがとう。ようやくとってくれたのね。これであなたの話に付き合わなくていいわ。