声劇/ドライもん/1.0
本ページは、声劇台本「ドライもん」のver1.0を掲載しています。
最新版は、「ドライもん」を参照ください。
PC1:論争キッズ
PC2:ドライもん
PC1:「ドライもんー。」
PC2:「どうしたんだい。」
PC2:「どうしてきみは、そうやられてばかりなんだい。」
PC1:「あいつら、ずるいんだよ。二人がかりで。僕が言い返そうとしても、できないんだよー。」
PC2:「あいつら、きみと同い年だろ、言い返すくらいできなくてどうするんだ。」
PC1:「でも、あいつら、僕がしゃべれないように口をふさいでくるんだよー。早計な反論しないでくれよー。」
PC2:「それがどうしたっていうんだ。口をふさがれたって声を上げること位できるだろ。人の親切なアドバイスを煽りで返すような性格だから、みんなにいじめられるんじゃないかい?」
PC1:「なんてひどいことをいうんだ。この青狸くんは。君は人の心がないロボットだからそんなことが言えるんだ。そんな無様な真似をできるわけがないだろう。」
PC2:「僕のことを青狸とよぶなんてひどいじゃないか。君だって、僕に'クイクイ駄目ガネくん'ってよばれたらいやだろう?」
PC1:「そんなこといったって、君のことを猫と呼ぶ人はいるのかい? 大きく見開いた眼、耳がなく、丸々と太った君をみて、狸として扱うのは妥当じゃないか。」
PC2:「君は考え方が間違っているよ。『見た目は子供、頭脳は大人』だったら、その人は大人だろう。蝶ネクタイを付けた丸眼鏡の男の子が女風呂に入ってきたら誰だって追い出すだろう。自分の誤った考えを正しいと勘違いするんじゃないよ。」
PC1:「見た目は子供、頭脳は大人、蘭姉ちゃんと一緒のお風呂に照れる小1は、確かに大人だ。でもそれはフィクションだ。」
PC2:「現実だろうとフィクションだろうと、物事を見た目で判断できないっていうことに変わりはないじゃないか。」
PC1:「現実世界で見た目は子供、頭脳は大人だったら子供だろ?何を言っているんだい。天才小学生は賢くても小学生だし、身長が低い大人は大人だろう。青狸君の頭は壊れてしまったみたいだね。役に立つのはお腹のポケットだけかい?ポケットを置いて未来に帰ったらどうだい?」
PC2:「わかったよ。そういうなら僕は君ともう話すことはないよ! 帰らせてもらう。」
PC1:こうして、クイクイ駄目ガネくんは、1人になった。彼の傍には道具を貸してくれる青狸はもういない。
完